ENJOY アメリカ・ニューヨーク 日系情報誌連載エッセイ集

アメリカ・ニュージャージーで過ごした生活の中で私が見ていた景色

ENJOY 2009 レストラン紹介 Aldo`s cucina

Aldo’s Cucina

 

アメリカに来てからパスタを外で食べないようになったのは私だけでしょうか。イタリアンレストランに行くと「パスタといえばトマトソース」。私はトマトソースもミートソースも好きだけど、たまには違うソースのパスタも食べたい。そして、給食の「ソフト麺」を思い出させるようなゆで過ぎた麺。これは本当に悲しい。イタリア料理といえば、ピザとパスタ。そう思っていた私にとって、ミートソースソフト麺は魅力のないものでした。

 

ある日、友達に「Wayneにあるイタリアンレストランのカルボナーラ、おいしいから、行こう」と誘われました。「カルボナーラがあるなんて、そこは日系?」と思っていたら、いえいえ、そこはイタリアン。カルボナーラだけじゃなく、クリームソースもあれば、ガーリックソースもある。そして、麺がソフト麺じゃない。「アルデンテ」なのです。

これは、みなさんに紹介するしかないでしょう、とあらためて行って参りました。

 

私たちを迎えてくださったのはオーナーのAldoさん。シェフ歴30年、ここにレストランを構えて12年だそうです。この日、私は1歳と3歳の子供を連れておりました。お店に入るとウェイターの方々、家族連れには慣れている様子で、ハイチェアーを用意して下さり、折りたたみ式のストローラーも食事の邪魔にならないように入り口付近に移動してくださいました。お洒落なんだけど、落ち着いた雰囲気のファミリー向けレストランで、私も安心して食事を楽しむことができました。

ただ、うかがった日は午後からパーティーがあるということで、いつもとテーブルの並びが違っていました。

 

1.冷たい前菜の盛り合わせ

ハム、サラミ、チーズ、トマト&モッツェレラチーズ、オリーブ、アンティチョーク、サンドライトマトがきれいに盛り合わせてあり、お料理が出てくるのを待つまでの間、おしゃべりに花を咲かせながらつまむのに最適です。

 

2.パンザ ロッティ(Panza Rotti)

一見アップルパイみたいなのですが、中身は蟹とアボガド。そこにあっさりトマトソースがかかっていて、油っこくなくさわやかな組み合わせです。アツアツでいただきましたが、冷めてもおいしい一品です。

 

3.ガーリックトースト

イタリア料理だと当たり前のように、あったかパンとガーリックトーストが出てきますが、このガーリックトースト、脇役なのにとてもおいしい。思わずガーリックトーストに集中してしまいそうでした。

 

4.リング アグア パッツア (LingAgua Pazza)

でました、アルデンテ。ちょうど横を通りかかったAldoさんと目が合い、思わず「アルデンテ!」と言ってしまったほど、見事なゆで加減。ムール貝、あさり、エビ、イカが入ったスープスパ。ガーリックとバジルがきいたあっさり味です。これは日本人のお年寄りにも喜ばれる味ではないでしょうか。彩りよく、でも、さりげなく入っていたプチトマト。しっかりと火が通っているのに、煮崩れておらず、同行した友達が感動していました。

こちらのパスタ、ほとんどが15ドル前後、20ドル以上はしません。ボリュームも見てうんざりするような山盛りではなく、一番おいしく感じるくらいの適度な量で盛られてきます。

 

5.シーフード・コンビネーション

エビ、ホタテ、ツナのブラックペパーソテーの盛り合わせ。ツナが柔らかくジューシーなんだけど脂っこくないのです。ブラックペパーが全体の味をしめていました。付け合せのポテトの細切りフライ、見た目も豪華ですが、味もカリッと揚がっていました。

 

6.ヴァルドス タノ(Val dos Tano)

天津飯? それとも、オムライス?」と思ってしまう風貌。作りとしては同じです。リゾットの上に子牛肉、それを卵で包み、そこにブラウンソースがかかって、アクセントにチーズがトローリ。私は肉料理を食べると肉臭さが気になってあまり得意ではなかったのですが、この子牛肉は臭みがなく柔らかくとてもおいしく頂けました。薄味のリゾットにブラウンソースがとてもよくマッチしていました。

 

7.ホームメイドのパンプキンチーズケーキ & エスプレッソコーヒー

甘いんだけど、甘すぎず、ホイップクリームと一緒に食べるととてもまろやかな味わいです。かぼちゃの香りがほんのりと、チーズケーキに程よいアクセントとなっていました。小さなカップでいただくエスプレッソコーヒーの苦味がケーキの甘さと絶妙なコンビネーションでした。

 

 

今回出していただいたものはメニューにはないもので、何かの機会に応じて出されるものということで金額は提示できないのですが、「ファミリー向けレストラン」ですので、通常のお料理でも目が飛び出るような請求を受けることはありません。アペタイザーですとたいていのものは10ドル前後、エントリーはスープまたはサラダ付きでほとんどのものは20ドル以下です。ランチメニューもあり、ディナーよりもお値段が低くなっています。

 

私は子供たちにレストランでのマナーを覚えてもらいたくて時々連れて行くのですが、小さな子供を歓迎されないところもあります。家族でおいしく食事をしたいと思うので、味がいくらおいしくても子連れとしてはそういうところへは行かれません。こちらのレストランは予約を入れる際に「子供が二人一緒です。そんなに迷惑はかけないと思うのですが」と言ったら、「うちはファミリーレストランですから、少しくらい騒いでも大丈夫です。」と言ってくださりました。

テーブルにパンを食べ散らかすわが子たち。ウェイターがお料理を持ってくるたび、「パンはこのままにしておく? 片付ける?」と聞いてくださり、私たちだけでなく子供にも大変よくしていただきました。

日本人の口にあうパスタ、さっぱり味のイタリア料理、子連れOK, きめ細やかなサービス、お値段お手ごろ。「たまには家族でおいしいもの食べに行こう」というときには絶対おすすめのレストランです。

 

 

Aldo’s Cucina

 

777 Hamburg Turnpike

Wayne, NJ 07470

 

Phone: (973) 872-1842

Fax: (973) 628-8660

 

定休日 月曜日

 

火曜日―木曜日 12:00-10:00pm

金曜日     12:00-11:00pm

土曜日      5:00-11:00pm

日曜日      1:00- 9:00pm

 

www.aldoscucina.com/org