ENJOY アメリカ・ニューヨーク 日系情報誌連載エッセイ集

アメリカ・ニュージャージーで過ごした生活の中で私が見ていた景色

ENJOY 2015 私の健康食品

私の健康食品

 

 五月の連休に高校の同級生とその娘、そして私たち親子で旅行に行きました。温泉に入り、ごちそうを食べて、湖のクルージングを楽しみ、フラワーパークを散歩し、楽しい旅となりました。当然のごとく、写真をたくさん撮りました。撮った写真をみるとなんだか私の顔が丸いので、「なんだか膨張してみえるなあ」と思いながらも、ディナーをお腹いっぱい食べ、満腹の殿様カエルみたいになっていました。じゃあ、温泉に入ってカロリー消費しよう!と温泉に向かいました。脱衣所に何気においてあった体重計に乗ってびっくり。な、な、なんと、体重が、大変なことになっていたのです。52キロ。ここ10年間で最も重くなっていたのです。私は身長がないので50キロ越えるとまん丸の団子状態なのです。ああ、一体どうして。。。と思いながらも、当然といえば当然のこと。お腹がはちきれるほどの量を毎日食べ、夜中にお腹が空けばバクバク食べ、太って当然なのです。しかし、私はアメリカにいた頃、食べても太れず、むしろ油断すれば痩せてしまうため、一生懸命食べて痩せないようにしていたくらいでした。人からは「おまえ、お腹ん中に虫飼ってるだろ。食べたものを虫が消化してるだろ」と言われるほどでした。そして大腸癌を患い、いつしか太れなくなっていました。五年前に日本に戻ってきたとき、抗がん剤を打っていたせいか、痩せていました。体重45キロ。そんなに痩せすぎていたわけではありませんが、そこから思うと7キロも増えていたのです。体重を気にする習慣がなかったのでこの現実をどう受け止めていいのか戸惑いました。しかし、まん丸の顔は気のせいではなく本当だったのです。まあ、年齢からいってこのくらいのことは「いまさらねえ」と笑い飛ばしてもかまわないのかもしれませんが、私は自分が太っていることが嫌なのです。人が太っていてもかまいません。デブが嫌いなわけではありません。でも、自分が太っていると思うとそれだけで悲しくなるのです。だから、この現実から脱出しなければなりません。ダイエット慣れしていないため、お腹を空かせて痩せることは不可能です。かつてのように新陳代謝はよくありません。脂肪はたまり、その脂肪は重力のままに垂れてくるのです。そこで一念奮起して「あと5キロ落とす」計画に取り組むことにしました。

 まず、野菜です。とにかく野菜を食べること。私はサラダが大好きだから、これは苦痛ではありません。先日テレビを見ていたら、「サラダの意外な落とし穴。もうサラダは食べられない」とかいうことを言っていましたが、一つのものに対して「意外な落とし穴」とか「意外な効果」などと斜めからみたようなことを取り上げるのが世の常です。私はあまりそういったことにはとらわれません。言い出したらきりがありません。なので、お昼のお弁当はサラダ、夕飯も必ずサラダは取り入れることにしました。サラダに入れる野菜は特にこだわることなく、叔父の畑で採れた野菜をメインにいろいろな野菜を食べることにしました。

 続いて、炭水化物。私は炭水化物が大好き。ご飯は大きなお茶碗に二杯は当たり前、麺類もパンも大好きです。しかし、おそらく私の体からみて炭水化物の摂取量は多すぎたと思います。なので、朝のトースト以外、炭水化物は極力減らすようにしました。

 そして、「体にいい」と言われるもの、「どうしても食べたいもの」を取り入れてみることにしました。体にいいものは、例えば豆乳、トクホ茶、ヨーグルトです。「体にいいみたい」と思って口にするだけでかなり健康になれた気分がします。では、私の愛する体にいいものを紹介します。

 

豆乳

豆乳とはご存知かと思いますが、「大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮詰めた汁を漉した飲み物です」(Wikipedia)。私が愛飲しているのは「調整豆乳」と呼ばれる飲みやすい味や香りに調整したものです。豆乳を飲むとタイに住んでいたころ、朝食で食べた温かい豆乳と揚げパンを思い出します。最初は温かくすごく甘い豆乳が大嫌いでした。当時タイ北部の田舎に住んでいた私は月に一回バンコクに降りてきて、友達の経営するゲストハウスに泊まっていました。そこで朝食としてよく出してもらったのがこの温かく甘い豆乳と揚げパンでした。あり得ない甘さをひきたてるような温かさがなんとも言えず「まずい」飲み物だったのですが、あるときいきなり「これ、おいしい」と思え、それ以来大好きな飲み物となりました。今、私が飲んでいる調整豆乳はそんな甘さはないのですが、かすかに匂う大豆の香りがタイでのあの甘ったるい豆乳と揚げパン朝食を思い出させてくれるのです。あと、豆乳の中に含まれる大豆イソフラボンをご存知ですか。これは女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをし、女性の美しさや若々しさを助けてくれるそうです。それは更年期障害にも効果があるそうです。私も更年期障害の範囲に入ってきたため、これは気になります。1日50mgはとった方がいいと聞き、毎日カップ2杯は飲むようにしています。

 

トクホ お茶

最近、トクホ飲料をよく見かけます。お茶に限らずコーヒーや炭酸飲料にもトクホはあります。さて、トクホとは何でしょう。トクホとは、健康食品のなかで、安全性と有効性について個々に国の審査を受けて、健康への効果の表示が認められた「特定保健用食品」の通称です。私はトクホのお茶愛飲者です。たまたまスーパーでみかけた宣伝をみて感動しました。「トクホで初めての2つの保健用途(脂肪の吸収を抑える、糖の吸収を穏やかにする)を得た商品」というのです。すばらしい効果を文字にされると信じてしまいます。普通に売っているペットボトルのお茶に比べるとちょっと値段はしますが、この2つの効果があるのだったら買うに値するものだと思うのです。食後にトクホのお茶を飲むと気持ちだけでも「脂肪吸収を抑えられ、糖の吸収を穏やかにできる」という気分になれるのです。ウエストについた脂肪のかたまりがドロドロと溶けて体外に流れ出ていく様子をイメージして飲んでいます。気休めかもしれませんが、効果ありだと信じています。

 

R-1ヨーグルト

これはすばらしい。テレビ番組でこのヨーグルトについて話していたので「本当かなあ」と思いながら食べ始めました。このヨーグルトはインフルエンザ対策と風邪予防に効果があるといわれています。R-1ヨーグルトには「ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1」という乳酸菌が使用されています。この特別な乳酸菌がEPSという多糖体を生成し、このEPSに免疫力を高める効果があるため、インフルエンザや風邪の予防に効くといわれているそうです。効果はインフルエンザや風邪の予防だけでなく、リュウマチや関節痛の予防にも効果的だといわれています。私が食べ始めたのは今年の5月からなので、インフルエンザや風邪が流行る季節ではありませんが、なんだか体調が特に腸の状態がいい感じがします。毎朝、惚れ惚れするような便が出て、お腹あたりがすっきりするような気がしています。イマジネーションは時として異変を起こすもので、頭の中でR-1ヨーグルトに含まれている乳酸菌が私の腸の中をコロコロと転がりながら汚れをこそぎ落としてくれている絵を描くと、本当にごっそりと自分の体内から汚れが出て行くのです。花粉症以外これといって寝込んでもいないので、きっとヨーグルトの効果が出ているのだと信じています。

 こんなふうに体にいいと言われるものを摂取していると、気持ちの上で健康になっていくような気がします。病は気からといいますから、それはそれでいいことなのだと思います。しかし、私は元来健康おたくではないので、体にはよくないけどどうしても食べたいという欲求もあるのです。それを我慢することは決して体のためにいいことだとは思いません。では、私が今はまっている「毎日食べてるデザート」と紹介します。

 

タピオカ入りココナッツミルク・ココナッツプリン

 このココナッツミルクとココナッツプリンに出会ったときは本当に感動しました。こ、こ、これは。。。まさか、ここで出会うとは。。。そうです、これはタイに住んでいたときに毎日食べていたココナッツデザートそっくりな味がするのです。ずっとずっと探していました。タイにいた頃、本当にココナッツデザートが大好きで、毎日屋台に通ってはタピオカ入りのココナッツデザート買っていました。日本でもアメリカでもなかなかあのときの味のココナッツデザートと出会えず忘れてしまっていたのに、なぜか今、うちの近くのスーパーで見つけてしまったのです。まずはココナッツミルクを購入し、「またココナッツ風味の水っぽいデザートかなあ」と期待もせずに食べてみたら、一個150円のタピオカ入りココナッツミルク、侮ってはいけないことを知らされました。おいしいのです。あまりのおいしさに翌日スーパーの棚にあったココナッツミルク10個を買い占めてしまいました。続いて、ココナッツミルクの横に並んでいたココナッツプリンです。一口お口に入れるや否や、私はタイのスーパーで買ってアパートの暑い部屋で食べていたあのココナッツプリンを懐かしく思いました。そうです、あの豆腐みたいな容貌でタイのスーパーで売られていたココナッツプリン。一個160円のうちの近くのスーパーで売られているココナッツプリンが私の心をタイのアパートに連れ戻してしまいました。うちの冷蔵庫にはいつもココナッツミルクとプリンが各7個ずつ入れてあります。お店の人たちはもしかすると私のことをココナッツと呼び、「あ、ココナッツが来た。また買い占めてる」と言われてるのではないかとちょっと気になります。

 こんなふうな食生活を5月の連休以来続けています。そのかいあってか、体重がおちました。52キロあったのが、2ヵ月半で5キロ落ちて、47キロになりました。パチパチにはちきれそうになっていたパンツも少し余裕をもってはけるようになり、なんだか体が軽く楽になったきがします。苦しいダイエットはあまり得意ではないのですが、大好きな野菜を食べ、体にいいと言われるものを飲食し、心の欲求を満たすためどうしても食べたいものも遠慮なくお口にいれています。体重がどうこうというより、やはり健康のために一番適した体を維持することは大事だと思います。私は自分がデブだと思うことで精神的に滅入るので、デブにならないことは心の健康を保つために大事です。とりあえず、目標達成しました。