ENJOY アメリカ・ニューヨーク 日系情報誌連載エッセイ集

アメリカ・ニュージャージーで過ごした生活の中で私が見ていた景色

ENJOY 2019 カンボジアの胡椒3

カンボジアの胡椒 3

 

 

 カンボジアで胡椒事業を成功させたかつてのボランティア仲間の倉田くんとの再会について前回、前々回でお話させていただきました。さて、今回はKurata Pepperの社長となった倉田くんにカンボジアでの胡椒事業の経営者としてインタビューさせていただきました。

 

「一緒にボランティアをやっていたのはもう30年近く前のことになりますね。私はカンボジアを引き上げた後、渡米しましたが、倉田君はボランティア活動の後、カンボジアでビジネスを始めるまでどんないきさつがありましたか?」

 学校建設のプロジェクトの後、校舎の寄贈だけでは、学校に通える子は増えない。 
両親の生活を良くするためには、カンボジアの主産業である農業を活性化させないといけない。しかも持続可能な形にするには、NGOではなくて、企業であるべきとの思いで、独立起業に至りました。

「確かにそうですね。親が生活苦であれば子供たちは稼ぎ手として働きに出されますね。それでは、学校があっても子供たちが教育を受けることは難しいですね。まずは人々の生活を安定させる必要がありますね。事業を立ち上げる際、また続けている中で、カンボジアならではの苦労や楽しさはありますか?」
 ガンボジアでの苦労は、言葉、通訳を間に介すると通訳の思いが混ざってしまって、 私の本心が相手に伝わりにくい。直接現地の人の声を聞いて、それに答えられるようになりたい。子音も母音も日本語より断然多いカンボジア語の習得は用意ではありませんでした。(現在進行系です)
 楽しかったことは、無から有を作り出せていくことのやりがい。
何もないところから、いろんな物ができてくるということは、本当に楽しい。
家族ができたことも、その一つです。

 

倉田君はボランティア活動している頃からカンボジア語を勉強していましたよね。先日、倉田君と再会したとき、息子さんが販売のお手伝いをされていましたね。家族っていいものですよね。KURATA PEPPERの胡椒を頂いて、胡椒ってこんなに味わい深いものだったんだと初めて思いました。胡椒にフルーティーなフレーバーがあるというのが驚きでした。KURATA PEPPERの胡椒について教えてください」

 クラタペッパーの胡椒は、内戦中に唯一残った在来種。
3年半も放置されていたにもかかわらず、枯れずに生き延びていたということで、
適地適作であり、有機栽培(自然栽培に近い)が可能。
自然とともに生育させていく(自然環境に付加をかけない)農業で生育しているので、 胡椒の果実にストレスがなく、大粒に育ちます。表皮のアロマティックなフレーバーもクラタペッパーの特徴です。
 また、完熟させた実だけを天日干しした完熟胡椒は、クラタペッパーのオリジナル商品で、胡椒なのにフルーティーな甘さ(旨味)があります。
種子の辛味を、果肉の甘みが包み込み、表皮のアロマティックな香りが、食欲を増進させます。どんなお料理(和食、洋食、スイーツ、お酒)にも、ほんの少し召し上がって頂く前に合わせると、美味しさが一段アップします。
 製品は、収穫されてから3回の目視手選別を行っております。大粒の厳選された粒だけをパッキングすることで、どの粒をとっても最高のフレーバーを楽しんでいただけます。


胡椒の木はあの内戦の中を生き延びてきたんですね。強い木ですね。だから、味に深みがあるというか、しっかりとしてフレーバーがあるのですね。私は以前、胡椒にそれほど興味もなく、料理に入れる際もさほど重要な香辛料とは思っていませんでした。でも、KURATA PEPPERの胡椒は本当に胡椒という存在を感じます。カンボジアではもちろんのこと、日本でも全国たくさんのお店、レストランでKURATA PEPPERの胡椒が使われていますね。今後の目標はどのようにお考えですか?」

 胡椒を初めたきっかけが、平和な社会づくりのための企業を目指していたので、
今後のカンボジアが、二度と悲惨な社会にならないように、企業活動を通じて貢献していきたいと思います。

「ありがとうございました。日本でもカンボジアでも知名度があがってきたKURATA PEPPERの胡椒なので、次はアメリカに進出して欲しいです。」

 

 かつての仲間ががんばっている姿をみるのは本当にうれしいものです。倉田くんががんばって作っている胡椒がカンボジアの経済の発展に貢献し、人々の自立につながっていると思うと、胡椒が世界中に広まって欲しいと願います。Kurata Pepperの胡椒をお試しになりたい方、倉田君の胡椒事業に興味を持たれた方、是非連絡してください。

KURATA PEPPER Co., Ltd.
#35B St.606, Boeng kok 2, Toul Kork,
Phnom Penh Cambodia 12152 
TEL +855-(0)12-842970
URL http://kuratapepper.com